江南(カンナム)区の大峙洞(テチドン)は塾の密集地帯
ドラマは、塾から出てくる子供たちを、高級車で続々と迎えに来る場面から始まる。よく交通事故が起こらないと思うほど激しい割り込みをしている。「自分さえよければ」「自分の子さえよければ」という一人よがりの考えを反映しているようだ。
場所はソウル市南部・江南(カンナム)区の大峙洞(テチドン)だ。
大峙洞(テチドン)はまさに韓国の学歴重視社会を象徴するような場所だ。幼稚園から大学受験まで、あらゆる「習い事」の塾がひしめいている。
思うに、日本にはこのような場所はない。塾や習い事はいたるところに存在するが、これほど小さな場所(3.5平方キロメートルの範囲)に密集している地区は見たことがない。
が三・五平方キロメートルの範囲にひしめき、子どもたちが熾烈(しれつ)な競争にさらされる場所だ。韓国の学歴至上主義を象徴する地域が、ソウル市南部・江南(カンナム)区の大峙洞(テチドン)だ。
ドラマの冒頭部分、この大峙洞(テチドン)の状況を見るだけで、「韓国の子供たちはかわいそうだ」と思うのは私だけではないだろう。
これが今回の舞台、ホテルのような豪邸SKYキャッスルだ。住みたくない…怖
ポートフォリオとは?
このドラマの初頭から飛び交っている言葉が「ポートフォリオ」だ。どうやらSKYキャッスルの住人たちは、ソウル医大に合格したヨンジェのポートフォリオを狙っているようだ。
日本にはなじみのないポートフォリオだが、韓国の大学受験では必須のもの。内申書以外に、自分の経歴(部活やボランティア、その他)を書くのがポートフォリオ。
試験と違って、ポートフォリオは点数では表せないが、なおのこと合格するためにはどのようなポートフォリオが望ましいのか、どんなポートフォリオを書けば合格できるのか、いわば「秘密の答案」のようなものだ。
ヨンジェのポートフォリオを教えてもらえば合格に一歩近づくと確信したソジンは、ヨンジェの合格祝いと称してパーティを開く。
その甲斐もなく、ポートフォリオは公開しないとミョンジュ(ヨンジェの母)に言われてしまい、がっかりする妻たち。
入試コーディネーター
ヨンジェのポートフォリオは公開しないが、その代わりに銀行が主催する、「優良顧客と入試コーディネーターをつなぐ会」の招待状をもらったソジン。表向きは投資説明会という触れ込みだが、実際は秘密の会合だ。
当日、会場へいそいそと出かけていくソジンであった。
第1話で出てきた食べ物
子供たちの夜食のためにパンを焼くスンへ。夜なのにご苦労様です。
牛乳と一緒にトレイへ乗せ、子供部屋へ運ぶ。